FRPとは何?

FRPは、正式名称 Fiber Reinforced Plasticsといいます。
Fiberは繊維(通常はガラス繊維)のことを言います。
FRPの”骨”のような役割をします。
Plasticsは名前のとおりプラスチック(主にポリエステル樹脂)のことをさします。
FRPの”筋肉”のような役割です。
そして、Reinforcedとは、「強化された」という意味で、この2つの物質がバランスよく
混ざり合い、初めて”FRP”になるのです。

FRPの歴史は意外に浅く、20世紀のはじめといわれています。
アメリカ人のレオ・ベークランドが開発した「フェノール樹脂」が最初と言われています。
彼は、フェノールと、フォルマリンという物質を反応させ、”やに状”に合成し、これが彼の
名前から「ベークライト」と命名され、さらにこれを、木粉、紙、布などと一緒に加熱、加圧
すると固体となります。強度、耐熱性、電気絶縁性に優れていて、電気部品に広く用いら
れています。現在もフェノール樹脂は存在します。
(昔、よくあった”はだか電球”のボディー(黒い部分)がそうです)

その後も、いろいろな樹脂は開発されましたが、加熱、加圧しなければならず、
設備や、コストがもの凄くかかりました。そして1942年ついに、常温、常圧で硬化する樹
脂(不飽和ポリエステル樹脂)がアメリカで開発されました。(第2次大戦中です)
そして、このとき開発された樹脂が、今のFRPの樹脂なのです。

アメリカは、FRPで救命ボートを作り、太平洋上の遭難した将兵を救助
したといわれ、これがFRPの実用化の第一歩だったといわれています。

その後、FRPはヨーロッパ各地に渡り、さまざまな分野で使われるようになり、
自動車にも普及しました。
ロータス、フェラーリ、ブガッティ、マセラッティ、フォード、GM等・・・
各メーカーがFRPでボディーを作るようになったのです。

現在は、おもにエアロパーツや競技用のパーツとしてFRPは使用されています。
レースの世界では、FRPをさらに進化させた”カーボン”やアラミド、通称”ケブラー”
が主流になっています。
ただ、これらは、材料、製造上(設備)、非常に高価なのが現状です。

(参考文献)

グランプリ出版
FRPボディーとその成形法

浜 素紀 著

上記の内容はこの本から1部抜粋しています。
もっと詳しくFRPを知りたい方は、この本は基本的なこと
から型などの作り方も載ってます。
(ちょっと専門的な部分もありますが)