希少価値のパーツの復元

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”ちょっと直してもらいたいパーツがあるので見てもらえますか?”
と言われ
”いいですよ〜。じゃぁとりあえず送ってください”
と返答し、しばらくしてからパーツが届きました。
開封してみると、中には1本のカーボンリップが入っていました・・・

箱から出した状態のリップです
全面がバリバリに

割れいています

 

底面もガリガリに擦っている状態
両脇は割れていて

折れかかっています。

センター左部分は

擦りすぎて穴が・・・

同じくセンター右側も・・・

こっちの方がひどい状態

表面はつやがなく、樹脂も

クラックだらけです。

こちらは樹脂がはがれていて

原形がわかりません・・・

一体どこを直すんだろうか??

TELして尋ねてみると

”左側の印がある部分です”

よく見てみると

マジックで印が・・・

えっ・・・?


ここだけ直すの??

 

担当者 ”そこだけ直せますかねぇ?”

自分 ”そこだけ直せと言われれば出来なくは
ないけど、ほんとにそこだけでいいの?
他にもひどいところがいっぱいあるじゃん?
というよりはコレを修理する金額で新品が
買えちゃうよ!しかもなぜそこだけなの??”

※何故そこだけ直すのかは、いろいろな諸事情が
あったので、ここでは控えさせていただきます



担当者 ”でもだめなんです。この形じゃないと・・・
しかもこれは売っていないものなんで・・・”

自分 ”売っていないんだったらこのパーツから
簡単な型を作らせてもらって、それから商品を
作った方が同じ金額だったとしても全然綺麗に
出来るよ。それに型を作っておけば、また
万が一のときに作る事が出来るよ。
もう売っていないこの形がいいのならその方が
これを直すより絶対いいよ!”

担当者 ”そうですね!分かりました。それでは
お客さんに聞いてみます・・・”

 

それからしばらくして・・・

 

担当者 ”お待たせしました。お客さんに
確認がとれました”

自分 ”じゃぁ、型を作らせてもらってもいいの?”

担当者 ”いいえ。やっぱりそれを直してください”

ガクッ・・・

自分 ”えっ?何で??あれ直すより絶対
いい仕上がりになるんだよ・・・”

担当者 ”実は、そのリップはもう売っていなくて
しかも世界にわずか”3本”しかない
貴重なものなんですよ。型を作って新品に
なって綺麗になるのはいいんだけど・・・”

自分 ”世界に3本しかないんだったらなおさら
まだ原形があるうちに型を作った
方がいいよ!これ以上破損したら
型も作れないよ!”

担当者 ”それが問題なんですよ。型を作る
と言う事は、3本以上作る事が出来る。
つまり、この商品の価値が・・・”

自分 ”んんんんんん・・・・そういう事か
程度じゃなくて価値の問題ね!
んんんんん・・・でもその気持ちは
自分もようく分かる・・・でもいくら
価値といってもきちんと
直っていた方がいいんじゃない・・・?”

担当者 ”そう思って、お客さんには
お話したんですが・・・やっぱりそこだけ
直すということに・・・あとはこっちで
塗装して直します・・・すみません”

自分 ”お客さんがそういうなら仕方
ないよね。それじゃぁ最初のとおりに
必要最低限の修理でやります・・・”

担当者 ”よろしくお願いします。”

と言う事で、指示のあった部分だけを
直す予定だったんですが・・・

頭の中に”世界に3本しかない”という
事がずうっと引っかかってしまい・・・

指示のあった部分だけでは、反対側の方が
損傷がひどく直してもきっとすぐに
壊れちゃうので、補強だけでもしてあげようと
考え、まずは汚れを落とすために
スチームにかけたのが今回の修理の
はじまりです・・・

 

 

スチームをかけ終わって

水分が飛ぶのを待っていると・・・

あれっ? 

カーボンがよく見える・・・?

あっ!

まだ、カーボンは生きてる!

しかも樹脂も光沢さえ出せれば

何とかなるかも・・・

最後は塗装するって言ってたけど

うまく直せば何とかなるかも・・・

せっかくのカーボン商品だし、

何といっても”世界に3本”

どうせどこまで直していいかも

分からないんだったら・・・

もう全部やっちゃうか!

もし、仕上がりが悪ければ

塗装してもらえばいいし・・・

と言う事で、やっぱりこのパーツを

なんとか復活させる事にしました。

 

まずは、割れいてる部分を

削り落とし、

位置を所定の位置に固定して

FRPで補強します。

 

とりあえずこれで

ばらばらになる事はなくなりました

そして、問題はここからです。

表面のクラックが入っている部分を

全て取り除きます

ただ、ひたすらに削ります。

削る際、カーボンを一緒に

削らないように慎重に作業します。

カーボンの部分ギリギリまで

樹脂を削っていきます

削った表面に

樹脂を盛り付けます

樹脂は一気に盛り付けると

濁ったり、気泡が発生してしまうので

少しずつ、盛り付けていきます。

カーボン繊維が切断

されてしまっている部分は、

どうしようもないので、そのまま

樹脂を盛り付けます。

この部分は塗装で

目立たなくします

樹脂が固まったら

形状を整えていきます。

原形が分からない部分は

仕方がないので、憶測で

判断しながら作っていきます

おおまかな形が出来ました。
おそらくこんなデザインだった

んだと思いますが・・・?

資料もなにもないので

確認する事は出来ません。

生地が損傷して
カーボンがない部分は

ところどころ白くなっています。

 

あとは、塗装をして



完成です。

 

矢印の部分が、最初に

指示があった、

割れていた部分です。

 

生地が無い部分は

塗装でリカバリーして

目立ちにくく処理を

してあります。

全体的に経年劣化による

”白化現象”もおきていたので、

それも目立ちにくく処理をしました

 

外で写真を撮りたかったのですが、

天候が悪く室内での撮影で

細かい部分を撮ることが

出来ませんでしたが、

後日、

”お客様がすごく喜んでくれました”

と担当者からお話を頂きました。

 

 

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