コレが金型というものです

ここ数日、強烈な風でしたね・・・

おかげでほぼ満開だったうちの桜は、7分咲きくらいになって
しまいました・・・ ( T_T)

今日は、”金型”というのを紹介したいと思います。
金型関連のお仕事をされている方は、見慣れていると
思いますが、普通の人はなかなか見ることはないと思い
ますので、ちょっとだけお見せしようと思います。

普段、私が作っているエアロパーツなどに使用する型は、
FRPで出来ているので、一般的に”FRP型”や”樹脂型”などと
呼ばれています。

一方、金型は呼んで字のごとく”金属(主に鉄)”で出来ています。
車の純正バンパーや、あらゆるプラスチック製品は、
この”金型”を使用して生産されています。
プラスチック以外の車の”ドア”や”ボンネット”なども同様に
とっても大きな”金型”を使用して生産されています。
一つの型で、何万、何十万個と商品を生産することが可能です。
この型を専用の機械(プレス、成形機など)に取り付け使用します。

大量生産に向いていますが、型を製作するコストと生産する
機械の設備などで、少量生産にはほとんど使用されません。

自分が製作しているエアロパーツなどは、”少量生産”の部類
に入りますので、金型ではなく”樹脂型”を主に使用します。
金型に比べれば、精度や生産できる数量は劣りますが、
型の製作コストが、金型に比べれば安価な事と、大きな設備が
なくても生産が可能で、少数生産できるのがメリットです。

上の型は、全体の一部なのすが、本体の部分になります。
内部は製作する個々の形状になっています。
鉄製なので、磁石は付きますし、放置しておけば普通に
錆びてしまいます。
(下の写真)

この型は、上下に分割されるタイプで、分解すると
下の写真のようになります。
ちなみに、この型は2段重ねのお弁当箱くらいの大きさなのですが、
鉄の塊なので、重くて片手で持つ事はできません
(当たり前ですね)
そして、この型を使用する機械(成形機)は、小さい機械でも
車数台分くらいのスペースは必要とします。

 

この型は、何を作る型かといいますと当社で以前販売していた
レンズの型なんです。

透明なレンズを作る型なので、表面は”ピカピカ”に
磨きあげられています。この光沢は”メッキ”ではなく
”型(鉄)”を磨いてあるんです!

裏側は模様が転写されています。型のすき間に樹脂が
入り込んで、固まったものが製品になります。

この型から生産したものなので、ピッタリと型に入ります。

型を使用して製品を作るということは、作業方法は違えど
FRPでも同じで、こういった型のノウハウが自分の型作りの
参考になったりしています。

日本の金型技術は、世界でもトップレベルの水準です。

いろんな技がふんだんに盛り込まれています。
とっても奥が深くて、自分みたいな浅知恵では??
だらけな世界です。
もっともっと勉強しないといけないなと思います。

この型を作ったのは、もう10年ぐらい前になりますが、
パーツの設計から図面の打ち合わせ、精度、材質、etc・・・
いろんな事を学んだと思います。
この型を見ていつも自分が思うのは・・・

”昔は金があったなぁ・・・”ですね ( ̄ー ̄)ニヤリ

今は、金型を作る予算なんて、もう全然ありません・・・ (笑)
海外に頼めばすごい安いものが作れると思いますが、
made in japan にそれなりにこだわっている自分としては、
国内で生産したかったので、この型の製作も、生産も全部
国内でやっていました。
型を作るとき、毎日のように型屋さんに打ち合わせに
行ったのを思い出します。

最近は、金型を作るような仕事もありませんが、
機会があったらまたチャレンジしてみたいですね!

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